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#ホビット 決戦のゆくえ (超ネタバレ感想)

シリーズ完結編となる「ホビット 決戦のゆくえ」の感想など。結末に触れまくり超ネタバレなので、まだ観ていない人は絶対に以下を読まないで下さい。

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 実は私はこの完結編を観るよりだいぶ前に、うっかり、本当に自分の不注意でうっかりだったんだけど原作のあらすじを読んでしまって、まああくまでもあらすじなのでざっくりではあるんだけれども、トーリンやフィーリ、キーリが死ぬということを知ってしまっておおいにショックを受けていたのである。映画版ではかなり原作とは違った展開があるとは言っても原作で死ぬ人が死なないということはさすがにないはずだろうということで。

「これを観るまでは死ねない」と思っていたこのシリーズの最終章だけれど、第二部は今年の最初の方だったのでずいぶん早かったな、まあそれはそれでとても喜ばしいことではあるんだけど。最初の2作があまりにも良過ぎたせいもあるのかこの完結編に対しては色々と賛否もあるところではあるんだけど、とにかく、この長い旅がようやく終わりを迎えたというだけでも感無量である。この完結編を一番最初に観た時(現時点では3回鑑賞済み)はもう最初の1分くらいで号泣であった(笑)。

さらには「ロード・オブ・ザ・リング」の1作目からということで考えてみると、あれは私がまだ20代前半だったし、ものすごい長い年月である。「ハリー・ポッター」のシリーズも同様なんだけど、原作の第1巻を読んだ時から映画版の完結編を観るまで10年以上かかっていて、その間に自分の人生にも色々と大きな変化があったりして、作品自体が魅力的で面白いというだけではなくて自分の人生と共にあった感じがあって、思い入れが特別なんだよね。

 

ホビット」の原作は完結編を観た後にちゃんと本を買って読んでみたんだけれども、最初にこの完結編を観た時にいくつか納得いかなかった箇所も受け容れるようになったというか、やはり、全体通してみるとやっぱり映画版は素晴らしいなあという結論に落ち着いた。原作にあって映画版では省かれていた場面、特に最後の方のトーリンが埋葬されるとかビルボが家に帰ったあとしばらくしてからガンダルフとバーリンがビルボの家を訪ねて世間話をするところとか映画版でも観たかったなーと思うんだけど、これらはエクステンデッド版にはあるのかも!?と期待をしているところ。

なにしろこの完結編の劇場公開版は時間が短すぎる、本来なら3時間たっぷりかけてしかるべきところなのに、カットされたシーンがかなりたくさんあるのではないか?としか思えないんだよね。

 

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この完結編では「これまでのあらすじ~」などといった部分も一切無くていきなり前回の続きから、ドラゴンが町にやって来るという場面から始まるんだけど、まずこの場面でのバルドさんがあまりにも格好良すぎて冒頭の5分くらいで既に号泣だった(笑)。でもドラゴンが死ぬというところは意外にあっさりとすぐに終わってしまって、まあ今作でのメインはここではなくてあくまでも後半のバトルだっていうのはわかっているんだけれども。

原作でのバルドさんは「厳しい表情の、黒髪の」って描写されていて、まさにルーク・エヴァンスにぴったりな感じなのだけど、やもめで子供が三人もいるというのは映画独自の設定なんだけど、それがこのキャラクターをより魅力的にしていたと思う。ただ独身っていうよりは、より、生活に苦労している感が出ていいし、暗い過去を持っているヒーローというのもグッとくる。生活が苦しくて、身なりもみすぼらしいんだけど演じているルーク・エヴァンス自身がとても高貴な雰囲気を持っている人なので、こう見えても実は密かに王の血筋なんですよ、みたいなのも感じられるのがいいんだよね。

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原作ではあの戦いの後にバルドさんがデイルの町を再建して立派な領主となり、町はおおいに繁栄していたと書かれているんだけど、そこでちゃんとした服を着ているバルドさんも見てみたかったなあと思ったり。まあこれは私の個人的好みだけど。そういえば湖の町の統領は原作によれば、財宝は手にしたもののその後悲惨な末路を辿ったと書かれているんだけど、「指輪物語」でも同様なんだけどこのシリーズでは色々な種族が登場するけれどその中でも人間は最も肉体的にも精神的にも弱い存在として描かれているんだよね。とても愚かな連中であるというところが強調されている。でも、その中から真のリーダーが現れる。

映画独自のキャラクターである、統領の子分のアルフリドは、前作ではすごくいいと思ったんだけど、今回はややウザいというか正直ここではいなくても良かったかなーと思ってしまったり。

映画独自のキャラクターといえば、タウリエル姐さんのことは私は大好きで、ほんとに男前で素敵だと思うんだけど、キーリと恋に落ちるという設定は、前作観た時にはいいと思ったけど今回の戦いの場面をみて、やっぱりこの作品に恋愛要素は要らなかったなー!と思ってしまった。

そういえば「ロード・オブ・ザ・リング」でもアラゴルンとアルウェンのラブシーンが多すぎるのが鬱陶しいという声がかなりあって、私もそう感じてはいたんだけど、指輪もホビットもこのシリーズにおいては恋愛要素は必要ないし女性キャラもあんまり無くていいと思っている人は多いんだろうなと。ホビットだって、髭もじゃおじさん軍団だけで十分に魅力的なわけで。

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おそらくこの完結編で一番賛否がありそうなシーン、フィーリとキーリが死ぬところだけど、あの誇り高い兄弟があのような死に方というのはやはり残念なところではある。

原作には登場しないレゴラスが出てくるというのも、私は特に彼のファンというわけでもないのでどうでもよかったんだけど(指輪もホビットも大好きな作品ではあるけどエルフにはあまり思い入れがない)、このホビット第二部で最初に登場した時はすごく傲慢で嫌な奴で、指輪での彼とずいぶん違うじゃないか?という驚きがあって、でも、主にタウリエル姐さんの影響だと思うけど彼は変わって最後には父親と決別して家を出るのね。そして、あの時バカにしたドワーフの息子と出会って親友になるとかって後の展開を思うと胸が熱くなるね。どちらの原作にもないけど、指輪の旅が終わった後でギムリはエレボールに帰ってお父様にレゴラスの話とかしたのかしら、それともレゴラスと共に一緒に帰って彼を紹介したとか?って色々と勝手に想像して勝手にニヤニヤしたりしている(笑)。

ドワーフは、エルフほどではないけどかなり長命で平均寿命は300歳ぐらいらしいので、戦いで死ぬとか特にそういうことがなかった連中はあの時点でも生きているはずなので)

スランドウィル王は終始一貫して冷酷な感じで、原作ではもうちょっと優しい感じはあるんだけど、昔はもっと陽気で優しい人だったけど色々あってああいう風になってしまった、みたいなのが描かれるのかと勝手に想像していたんだけどそういうのは無いまま終わってしまった。

最後の戦いの場面で登場する、トーリンとはいとこという設定のドワーフであるダイン卿は後に山の下の王となる重要人物なのでもうちょっと彼のキャラクターを見たかったなあという気も。「トーリンに輪をかけて分からず屋だ」なんて、むちゃくちゃ楽しそうじゃないか!(笑)

 

あとはやはり主役であるビルボとトーリンの話。

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全体通して、ビルボとトーリンのシーンはどれも最高なんだけど、なかでも一番グッときたのはこの完結編で、ビルボがドングリの実を見せるところね。あとはやっぱり最後の「鷲が来たよ」ってとこももちろんだけど。なんか、もうね、声出して泣きそうになってしまうね。シャーロックが死ぬ(というか死んだふりだけど)ところよりもこっちの方が遥かにヤバかった。

完結編を一度観た後で、第一部から今一度見直してみたんだけど、最初の頃の、「足手まといだ」とか言ってるのとか思い出して、その後でまた完結編を改めて観てみるとたまらんね。

トーリン演じるリチャード・アーミティッジツンデレ表現がとにかく素晴らしくて、リチャードがこれまでに演じてきた他の役もだいたいまあツンデレなんだが(笑)その中でもやはりトーリンが最高で、彼自身は最初はエルフの役を希望していたらしいんだけど、クールで超然としているエルフはあんまり似合わないしこのツンデレっぷりを他にやれる人はいないだろうと思われるのでこれで正解だったんじゃないかと。この完結編での、トーリンが心の病を克服して復活するところなどもたいへんに美しかった。原作でのトーリンはあまり好感が持てる感じではなかったんだけど、リチャードが演じたからこそこんなに素晴らしいキャラクターになったし、製作者たちが、原作の設定年齢よりはだいぶ若いけどどうしても彼に演じて欲しい、とこだわったのも納得である。

最初の方にも書いたけどトーリンが埋葬されるシーンというのはやはり映画でも観たかった。アーケン石と共に葬られ、あのスランドウィルでさえも悲しむとか、そんな場面を頭に思い描いていたのに。映画ではあのまま終わってしまって、バルドさんがずっとアーケン石を持ったままってことになっちゃうし、そりゃないだろってねえ。

アーケン石といえば、前作ではそのゆくえがはっきりとは描かれていなくて、ビルボがドラゴンの目を盗んでポケットに入れていたんだろう、でもドラゴンが話していたこと、「アーケン石をトーリンが手にして心を蝕まれるところを見てみたい気もするウヒヒヒ」ってのがどうしても気になってしまって渡せなかったんじゃないかと想像していたんだけど、まさにその通りだったというのが今作で明らかになったわけだ。

ビルボがこのアーケン石をスランドウィル王のとこへ持ってって交渉する、ドワーフ達のことが好きになったので彼らを助けたいのだと言う場面がこれまた最高で、今作中でも特にお気に入りのシーンの一つ。

まあそんな感じでツンデレな人に振り回される役柄が多い気がするマーティン・フリーマンだが(笑)やはり彼の存在があったからこそ成り立った作品なのかなあと最後まで観て思った。たくさんの登場人物が出てくる本作だったけどあくまでも主役はホビットであるビルボ、というのを改めて強く感じる完結編でもあった。最後は、それぞれの登場人物のその後みたいなのは一切省いてあくまでもビルボの物語として終わらせていて、他のキャラクターのその後ってのもちょっと気になりつつもこれはこれですごく良かったとは思う。もちろん全編通してマーティンが最高なのは言うまでもないんだけど、彼が主役のこんな大作映画が作られて、彼の魅力や才能が余すところ無く発揮された、こんな素晴らしい作品を観ることが出来たというだけでも、私の人生の中でも大きな出来事であったと言えるのではないかと思う。マーティンのファンになったのもこのホビットの第一部がきっかけで、その後で他の出演作も色々と観てますます好きになったというわけなんだけれども。

 余談だけど「ロード・オブ・ザ・リング」では真の主人公はサムではないかと思っていて、これは原作でも映画でもサムが家に帰ってくるところで終わる。「ホビット」ではビルボが家に帰ってくるところで終わる。いや、帰ってきて、また出ようとする(LotRにそのまま繋がる)ところで終わりなんだけれども。

 

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