ベター・コール・ソウル 第7話〜第10話の感想

第7話「ビンゴ / Bingo」

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 BrBaもそうだったがBCSもまた恋愛要素が非常に薄くて、その代わりに恋愛以外の関係を深く追求して描いているというのがこれらの作品の魅力の一つでもあると思っていて。BCSでジミーの友人として登場しているキムの存在は、私は最初に見た時はてっきり元カノみたいなものかと思ったんだけど何回か見て、昔から今に至るまであくまでもずっと友人なんだろうと解釈した。でもたぶんジミーは彼女のことがずっと好きなんだろうけど、キムにはその気はないし、たぶんジミーの気持ちにも気づいていない。あくまでも友人としてジミーのことを気にかけていて、仕事の面で彼を助けようとしているだけだと。

第1話から何度か登場する、キムがタバコ吸っているのをジミーが取ってちょっとだけ吸うシーンがすごく好き。長い付き合いを感じさせる。

これまではネイルサロンの奥にある、畳1畳分くらいしかないんじゃないかってくらいに狭い物置みたいなスペースを事務所として借りていたジミーだったがもっと広くて綺麗なちゃんとしたオフィスを借りようとしていて、その物件をキムと一緒に見に行くんだけど、これを機に彼女と一緒に仕事したいとやんわりと提案するもあっさりと断られてしまうのがとても切ない。せっかく素晴らしい部屋も彼女のために用意したというのに。

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ジミーはたぶん前からずっとキムのことは好きだったんだと思うけどこれは下心からというわけではなくてただ純粋に彼女の仕事の能力を評価していて、一緒に仕事ができたらいいなと思っていたからだけだと思う。

BrBaについて、随所で見られる脚本の禁欲的なところにグッとくると誰かが書いていたのを思い出したんだけど、あの、ウォルターはジェシーのことを自分の息子みたいなものだと思っているとは決して口に出されない、あの感じ。あの感じをここでも思い出した。キムのことが好きだとかそういうことは絶対に言わない、一緒に仕事をしたいというのもとてもとても控えめに、やんわりと提案する、そういうところがたまらないなーと思って。他のドラマや映画だと、お前のことを愛してるとか本当の息子のように思ってるとか、わりと安易に言っちゃうじゃん?

このエピソードの後半で、以前は拒絶されたのに今度はケトルマン夫妻のほうからわざわざジミーに仕事を依頼したいと言ってきたのに、結局キムに譲ってしまったのも、彼女の事が好きだから、あるいは、それが”正しいこと”だから?おそらく両方だろうと思うんだけど、とにかく、ジミーが自分には失うものは無いって言うのとか、その後一人であの部屋に戻ってからのシーンとか、これまたすごく切ない。

 

 第8話「RICO法 / RICO」

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  BrBaでソウル・グッドマンをみていてどうしてこの人は弁護士になったのかなあってのが気になっていたんだけど、いや、向いていないという意味ではなくて、むしろおおいに資質は持っていただろうと思うんだけど。仕事しながら通信教育で勉強して司法試験に合格したというのも驚きだったけど、あの天賦の才能であるしゃべりの達者さとか、弁護士に向いてる資質も持っていたし、元々かなり頭も良くてかつ努力家なんだろうなと。BrBaだけ見てると努力家っていうイメージはあんまりないけどね。でもなんとなく、若い頃むちゃくちゃ苦労した人なんじゃないかなあという感じは漠然とあって、実際にBCS見てみたらやはりその予想通りなのであった。何もかもが上手くいかないことばかりで、しかし人前ではあくまでも明るく振舞って、誰もいないところで物に八つ当たりするのとか、見ていてとても切なくなる。

これまでずっと引きこもり状態だった兄のチャックがジミーと一緒に仕事をするようになって、急激に生き生きと元気になって、仕事自体もとても大きな案件になりそうで、このままハッピーエンド的なものを期待してしまったのだが、だがしかし。

 

第9話「ピメント / PIMENTO」

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前にも書いたけど、この回でもマイクが持参しているピメントのサンドイッチってすごく気になる、どんなもんなんだか知らないんだけどきっと美味そうだから食べてみたいなあと思っていて。ピメントって、アメリカ南部の方では定番らしいんだけど。 

マイクがついに、駐車場の受付係だけではなくて裏稼業的な仕事も始めるわけなんだがここで、真面目で頭も良くてそれまで全く犯罪とは縁がなかったような普通のおっさんが登場してギャングと取引をするのだが(なんか、どっかで聞いた事ある話ですね(笑))「悪人になるかどうかはお前次第だ」ってマイクらしい説教がとても良かった。時にはかなりの危険を伴うような仕事を敢えてマイクがやるようになったのは、やはり、孫娘や彼女の母親である義理の娘の生活を支えたいから、駐車場の受付係の給料だけでは少ないからということなんだろうけど。

前回までは、これでやっとジミーにも成功が訪れる!なんて思っていたんだけど結局そうはならずに、大変に残酷で悲しい事実を突きつけられる。これまでずっと、多くのものを犠牲にしてチャックに尽くしてきたジミーなのに、そんな彼の全てを否定するようなことを言うなんて酷すぎる。

 

第10話「マルコ / MARCO」

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ジミーは故郷へ帰り、地元の親友であるマルコと再会して、むかし二人でよく一緒にやっていた詐欺で小銭を稼ぐのを久しぶりにまた一緒にやるんだけど、その中で、俺はケビン・コスナーだ的なことを言ってナンパするというのがあるのだがこの話はBrBaにもちらっと出てきた。シーズン3第11話の、ウォルターと二人で洗車場を見に行くシーンである(余談だけどこのシーンの前の、スカイラーと初めて会って彼女を褒めるのとか「科学者はレーザーが好きだ、だからウォルターもレーザーが好きだ」という謎の適当理論も好きだ(笑))。

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でもこのBCS最終話を見てみると、翌朝になったら、ケビン・コスナーじゃないじゃん!って女は怒って出て行くんだよね(笑)。

チャックの件はとてもショックではあるけど、その代わりにここまでずっと宿敵っていう感じだったハムリンが、実はそうではなかった、この人もまたチャックの我儘のせいで色々と辛い思いをしてきたんだということが分かったのはよかった。チャックもまた、弟に酷いことを言ってしまったと後悔しているような様子も見られたので今後に希望は持てるけど、でも、そう簡単に仲直りはできないだろうなあという気がする。

故郷で親友と一緒に楽しく遊ぶのもいいんだがやっぱり兄を見捨てられないし(あんなに酷いことを言われたのに!)顧客が、自分を必要としている人がいるからやっぱりアルバカーキに戻らないと、てなるとこもいい。マルコに、今自分は弁護士なんだって言ったら、じゃあいっぱい稼いでるんだろ?って答えが返ってくるんだけど、私もそうだが弁護士ってむちゃくちゃ高給取りで高級車乗り回してるんだろうっていうイメージは確かにある。でも弁護士なら誰でもそうだっていうわけではなくて、ジミーの生活の苦しさはここまで十分見てきたし、いっぱい稼いでるんだろっていうマルコに対しての「生計を立ててるだけ」(I'm a making living, more or less")っていう、控えめで慎ましい答えがすごくいいなと思って。

BrBaではソウル・グッドマンはずっと左手の小指に指輪をしているんだけど、なんとその指輪の由来がここで明らかになる。前回ほどではないもののここでもまたとても辛い、悲しい出来事が起こるし、シリーズ全体通してもなんだかんだで辛い事ばかりだったが最後はいちおう前向きな感じで終わっているのでよかった。

故郷に帰ってマルコとしばらく一緒に過ごせたことで、ジミーの今後の人生の方向性について、何らかのヒントを得られたようであるが具体的にそれがどういうものかはまだ分からないけど、シーズン2以降でそれらが順次明らかになっていくのだろうということで、とにかく今後が楽しみである。

 

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