「Smiley Smile」と「Wild Honey」勝手に50周年

 去年、ビーチ・ボーイズの「Pet Sounds」の50周年記念があって、今年はビートルズの「Sgt. Pepper's〜」の50周年記念があって、それらはまあ特に異論も何もないし私もそれらを買っているし、でも個人的には他の50周年記念も祝いたい。50年前といえば1967年で、ものすごいアルバムがどっさり出ていて(次の68年、69年あたりの方がもっと大変だとは思うが…)、他にもっと讃えるべきところがあるだろうと言われそうだけどここはあえてのビーチ・ボーイズの「Smiley Smile」と「Wild Honey」である。そんなことをふと思ったのは、今年、この二つのアルバムの未発表音源を集めたものがひっそりとあんまり大した話題にはならずにリリースされていて、私はもちろん買ったんだけど、この未発表音源集と、オリジナル・アルバムのリマスター音源(もちろんモノ・ステレオ両方収録で!)くっつけたら勝手に50周年記念盤できちゃうじゃん?と思ったので。 

1967 - Sunshine Tomorrow

1967 - Sunshine Tomorrow

 

 

私がまず一番最初にビーチ・ボーイズのベスト・アルバムを買って、その次に「Pet Sounds」を買って、その次に買ったのが「Smiley Smile / Wild Honey」の輸入盤の2in1 CDだったんだよね。だから、かなり思い入れはあって。一番好きなアルバムというわけではなく、最初聴いた時はなんじゃこりゃ?ってのが正直なところではあったんだけど(笑)。ちなみに当時はこれに引き続いて他のアルバムの大半もこの輸入盤2 in1のシリーズで揃えたのであった。当時はこれが最新リマスターで、Amazonで一枚980円とかだったような。

SMILEY SMILE/WILD HONEY

SMILEY SMILE/WILD HONEY

 

 当時はまだブライアン自ら「Smile」を世に出したりする前で、公式アルバムではその断片をこれで聴いたりするしかなかった(他のアルバムにもいくつか「Smile」収録曲はあるが)のだけど、それらの楽曲の第一印象はなんというか珍妙すぎてなんだか恐ろしい感じもあった。そんなわけで「Smiley Smile」に関してはそれ以後もあんまり何度も聴き込む感じではなかった。しかし数年前に「Smile」のボックスが世に出て、そこで改めて各曲を聴いてみたらかなり良いじゃん?となって、最初に聴いた時とはだいぶ印象は違ってきたけれども、最近「Smiley Smile」自体を久しぶりにちゃんと聴いてみたら、なんというか、一周廻ってやはり珍妙なアルバムだなあと思ったのである。「Smile」のバージョンとはアレンジが少し変わっていて、「Smile」よりもむしろ狂気が増している、と感じる部分もかなりある。「Smile」本体と同様にカールのリード・ヴォーカルがたくさん聴けるというのは個人的に嬉しいポイントではある。全体的に夢の中にいるような、浮世離れした感じの曲に彼の美しい歌声は合ってるなあと思うし。

「Wild Honey」は同じ年にリリースされたとは言え全く別物で、こちらは初めて聴いた当初からかなり気に入っていた。私の一番の推しメンバーはカールなので、彼がここにきていきなり主体となって、まるでリーダーであるかのような感じで、大半の曲でリード・ヴォーカルであったり彼の好みがかなり反映されている楽曲やサウンドでもあるし。カールの歌については、本格的に素晴らしく開花するのが70年代に入ってからだと思ってるんだけど60年代後半の荒削りで初々しい感じもそれはそれでまたグッとくるものがある。思えば彼はまだこの頃ようやく20歳になったばかり、ぐらいなんだよね。

それから「Wild Honey」の素晴らしさは、1967年の同時期に他のバンドがやっていたような音楽とは全く違っているというところ。シンプルなバンド・サウンドって感じなのも良い。いかにも1967年の夏!!って感じの音楽も、それはそれで好きなんだけれども。

そんで今年リリースされた未発表音源集で「Wild Honey」のステレオ版が世界初公開!ということで、その中から"Darlin'"のステレオ版のビデオなんかも公開されている。


The Beach Boys - Darlin' (2017 Stereo Mix)

 

「Pet Sounds」のステレオ版は、これまで聴こえなかった音がいっぱい聴こえる!と個人的にはものすごい興奮したものだけど、「Wild Honey」は元々がシンプルなサウンドなのでそこまでのものすごい大発見とか興奮とかはなかったけど。しかしスマホでイヤホンで聴くにはやっぱりステレオの方が気持ち良いというのはある。